Secondlifeはコミュニケーションツールか
セカンドライフ非技術系 Advent Calendar 2018のための記事です。
「Secondlifeはコミュニケーションツールだ」とよく言われます。
たしかに、ボイスやテキストチャット、ジェスなどでほかの人とコミュニケーションするのがSLの大きな目的だと言えるでしょう。
現実の社会でもコミュニケーション能力が重要だとよく言われます。
コミュニケーション能力ってどんな力なのでしょうか。
「就職面接でコミュニケーション強者を選抜したら、仕事をせず責任を回避するスキルにだけ長けた人材が集まって業務が回らなくなった」
とか、
「コミュニケーション強者しか採らなかったら業務が回らなくなったため、コミュ障のエンジニアも採るようにしたものの、彼らの扱い方が分からず邪険にしていたら皆逃げてしまった」
などという話を聞いたことがあります。
同族としかコミュニケーションできない人をコミュニケーション強者と言っていいのでしょうか?それはコミュ強ではなくてただのうぇーい族なのではないでしょうか?
たしかに「うぇーい」するのも楽しいですけど、仮想世界Secondlifeはそんなタイプの人だけのものではないはずです。
Secondlifeには、ユーザーが作った凄い数の「もの」(服、乗り物、武器、建物、アバターそのもの、などなど)や、すばらしい「場所」があります。こういう「もの」や「場所」を作った人たちは、みなコミュニケーションに長けていたのでしょうか?
むしろ、寡黙な職人さんだったりしないでしょうか。
そんな人たちこそが、ひとが喜ぶものをコツコツと作り出しているのではないでしょうか。
そんな人たちこそが、実は仮想世界Secondlifeを支えている、といえるのではないでしょうか。
コミュニケーションというものは面と向かってのやりとり、ばかりじゃなくて「もの」や「場所」を介して行われることもあるんじゃないでしょうか。
Secondlife日本コミュニティでも、いわゆるコミュ強っぽい方々が幅を利かせていた時代もありました。でもそんな人たち、いつのまにかどこかに消えてしまったような。。結局口だけではなにも動かなかったのではないでしょうか。コツコツなにかを作るとか、コツコツなにかを運営するとか、そういう人が今残っている気がします。
わたしが毎晩のように入り浸る DanceBar *CuteGrin* は「アニソンをかけて踊る場所」です。
踊りはダンスマスターから配られるので、お客さんはそれを受け取ってOKするだけ。
常連と呼ばれる人たちが、がんがん着替えたり、変なギャグをかましたりしているので、引いちゃうかもしれませんけど、それに追従する必要もありません。「コスプレしなければならない場所」じゃなくて「コスプレしてもいい場所」なのですから。
ただ黙ってそこにいるだけでいいんです。
いまは、キューグリのコスプレ番長にして、逆らう人を地下に埋めると恐れられる潮さんですが、じつは何年も喋らなかったそうですよ。
ダンパに来て、あまり話さないけど、ときどきスゴイものを作ってくれる職人さんも何人かおられますよね。
無理に話さなくても、一緒に踊ってるだけで、何かしている感じがありませんか?
そんな居心地のいい空間を、これからもお客様と作っていきたいと思っています。
(店長を差し置いてえらそうな!)
最近セカンドライフにやってきた方は、いろいろ戸惑われているとおもいますけど、焦ることはありません。
時間がかかるかもしれませんけど、一人ひとりに合った「なにか」がきっと見つかります。
落ち着く「どこか」がきっと見つかります。ていうか作っちゃってもいいですよね。
「Secondlifeはコミュニケーションツールか」という問いの答えは
Yes。だけど、いわゆるコミュ強といわれる人たちだけのものではありません。
コミュニケーションにも、人それぞれに合ったさまざまな形があります。
それを見つけて、心地よく過ごすことができる世界、それが仮想世界セカンドライフ。
といったところでしょうか。